沖縄県工芸振興センター

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琉球漆器

▐ 沿革


 沖縄の琉球漆器は、中国の文化が盛んに入るようになった14世紀の末頃に起こったと考えられています。その後日本などの影響を受けながら独自の工芸として定着してきました。琉球王朝が海外交易を行っていた15-16世紀頃は、重要な物産の一つとして、中国を始め、東南アジアや日本など盛んに輸出されました。1609年の薩摩侵攻以後は貝摺奉行所が拡大強化され、1715年には比嘉乗昌によって堆錦が改良されています。奉行所で作られた製品は、将軍への献上品、諸大名への贈答品、あるいは民間交易品として王府の外交を支えました。1879年の廃藩置県後は漆器の生産も民営となり、かつての重厚さと華やかさを失いましたが、昭和初期には新鮮なデザインで県外市場に進出しました。しかし、それも今次大戦により全滅し、戦後はゼロからの出発となりました。

▐ 技術・技法

 漆の乾燥には高い温・湿度が必要で、強い紫外線は彩漆の発色の一助となります。沖縄の気候風土はその最も適した気候条件を備え、全国でも恵まれた産地の一つです。 琉球漆器の加飾は、歴史的にも数多くの技法が知られていますが、主なものとして沈金・螺鈿・箔絵・堆錦などが上げられます。  沈金は刀で模様を彫り、漆を接着剤として金を定着させる技法で、繊細な線による表現が特徴です。螺鈿は模様を切り抜いた夜光貝やアワビ貝を塗面に埋め込んで、七色に発色させる技法で、箔絵は漆で模様を描いて金箔を貼り付ける仕上がりの華やかな技法です。また現在最も多く生産されている堆錦は、顔料と漆を混ぜた堆錦餅を薄く延ばして模様を切り抜き、器物に貼り付ける立体的でカラフルな沖縄独特の技法です。

▐ 製品の特徴

 亜熱帯の風土の中で育まれた琉球漆器は、技法の多さや表現力のおおらかさ、またその美しさや丈夫さにおいて、他に例を見ないと高く評価されています。  軽くて狂いのないデイゴやエゴノキは丈夫でおおらかな漆器の基になりました。高温多湿の気候条件は厚くて艶やかな塗面を育てるとともに、独自の堆錦を誕生させました。豊富な紫外線を受けて発色した朱のあざやかさは琉球漆器の特徴です。また朱漆螺鈿や朱漆沈金は沖縄の明るさによく調和し、朱と黒の大胆なコントラストもまた、近年の琉球漆器の大きな特徴の一つになっています。

▐ 産地の現状

主な製造地那覇市、浦添市、糸満市、沖縄市、豊見城市、南風原町、中頭郡中城村
主な製品名盆類、鉢、銘々皿、重箱、菓子器、椀類、その他
生産者組合琉球漆器事業協同組合
所 在 地〒901-0345 那覇市字牧志3-2-10(那覇市ぶんかてんぶす館2F)
TEL:098-863-1608